戦時の食生活秘訣便覧 @
2021-05-25


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戦時中の食糧が段々厳しくなってくる中、庶民の知恵として、家庭料理研究家の小林完氏が提唱した食生活秘訣便覧を見つけた。要するにこれまで捨てていた食物も工夫次第で食べられるという一覧である。
加工方法別に適している食物を解説しているので順々に紹介する。

加工@
【生で食べませう】栄養と燃料の経済
・おやつに食べる...さつまいも
・塩やソースで食べる...トマト
・すりおろして醤油、味噌、酢等を加えて食べる、また冷し汁にしてもよい...かぶ、大根、人参、胡瓜、白瓜
・切って塩をふりまぶし十四、五分おいてからかるくもみ、醤油、ソース、酢等で食べる。和え物にしてもよい...かぶ、大根、人参、白瓜、夕顔、白菜、なす、キャベツ、玉ねぎ、ねぎ、うど、茗荷、にら

(ここまでは普通、今でも十分通用する)

加工A
【切り方で食べられるもの】繊維の多いものはなるべく筋を短く切ればなんでも食べられる
大根の葉、キャベツの芯、若いそら豆のさや、固いごぼう、蓮根の固い所、牛蒡の葉、人参の葉、固い茗荷、固くなったねぎ

(食べようとする中身がだんだん厳しくなってくるなぁ)

加工B
【灰汁でゆでてアク抜きするもの】
・ゆでてから三,四〇分水にさらして調理するもの…南京の葉柄、じゃがいもの皮や芽、わらび、山うど、さつまいもの葉柄、クローバー
・ゆでてから二畫夜位水にさらしてから調理する…夏みかんの皮
・ゆでてから一畫夜位水にさらしてから調理するもの・・・ごぼうの葉、ふきの葉、よもぎ、山ごぼう、どくだみ

(徐々に野草が入ってくる、食べるためには手間もかかる)

加工C
不味で食べられぬものはアク抜きすれば食べられる
【蒸しゆでにしてアクぬきするもの】
白菜、小松菜、ほうれん草、はこべ、ちしや、あかざ、あづきの葉、ゆきのした、ぎぼし
【水につけてアクぬきするもの】
蓮根、なす、ごぼう、ふき、ずゐき、うど

(聞いたことのない草類がふえてくる)

〜次回に続く〜
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