デジタルをリアル本に〜和本を作る〜
2020-11-14


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従来の私の手製本は、本文(ほんもん)と呼ばれる本の中身は古本など既製本をそのまま使い、表紙や装丁のみ自分好みに、もしくは原本に近づけて修理する手法であった。それに飽き足らず、中身も自分で印刷してトータルで製本して見たくなった。例えば自分史や自分の書いた小説や詩を印刷しそれを本に仕上げることも可能だし、夏目漱石など作者が亡くなって版権の切れた文学作品などをインターネットから引用してきて自分の好きなフォントや字の大きさ、レイアウトで印刷して自分だけの夏目漱石本を作ることもできる。いわゆる私家版(しかばん)というやつである。

2020年9月6日の当ブログに林子平著の禁書『三國通覽圖説』について、原本は国会図書館デジタルアーカイブズでも全巻が閲覧できると紹介した。
[URL]

この『三國通覽圖説』の本物は到底手に入れられないが、このデジタルアーカイブズをどうしてもリアルな和本にしたくて、別の製本教室の門をたたくことにした。教室の先生と一緒に悩みながらもデジタルデータが和紙に刷り上がった。それを従来持っている和本技術で、表紙が色違いで2冊、A5の手のひらサイズの自分だけの和本がとうとう出来上がった。
これを機に、デジタルをリアル本にするという楽しみが一つ増えた。
[我が国日本国]
[製本 修復]

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